代表経営コンサルタント 宮川 壮輔
“ウチもはやく新製品を開発しないと”
“新規事業を立ち上げてどんどん拡大していきたい”
今回は、そんな中小製造業の社長のための
お話しです。
コロナ禍からの経済再開により、
これから拡大したいという中小製造業は
多いでしょう。
でも、既存の製品では、
市場が縮小していくので、
今のうちに新製品を開発して
新規事業を立ち上げたい、
という社長も多いですよね。
そういう場合、
どのように新製品を開発していけば
いいのでしょうか?
前提として重要なのは、
新製品はほとんど失敗する、
ということ。
新製品開発に慣れていないと、
だいたい聞いたことのあるような
製品を作って販売することになり、
ほとんど儲かりません。
もちろん、売上0ということは
ないでしょうが、
お付き合い程度の売上だけで、
少なくとも新たな利益の柱になる
ほどには売れないことが
多いですよね。
ですので、新製品を開発するうえで
重要な前提は、
“失敗確率を極限まで減らしていく”
ということです。
では、“失敗確率を極限まで減らす”
にはどうすればいいか?
それには、失敗の最大の原因の1つである
“売れない”確率を極限まで減らしたい。
では“売れない”のはなぜか?
大きな理由としては、
そもそもニーズがない、ということ。
つまり、そもそもニーズがないものを
いくら開発しても、
お付き合い程度以上には売れません。
ですので、新製品の開発前に、
ニーズがある、という確度を
極限まで上げましょう。
そのためには、顧客に直接聞くことです。
顧客に直接聞くことは、
ニーズを確認する上で非常に重要だし、
おそらく“そんなことは分かってる”
という人も多い割には、
かなりの確率で行っていません。
開発に着手する前に、
顧客に直接ヒアリングするステップを
フローの中に組み込んでください。
もちろん、ヒアリングの仕方や対象の
選び方も重要ですが、
まずは、顧客に直接聞くという
ことを必ず行ってください。
やり方の向上はそれからでも
充分です。
ニーズがある、と判断したら、
次に、プレ販売戦略を
作ってください。
開発前ですよ。
販売戦略というのは、
誰に・何を・どのように
販売していくか、という方針です。
特に、“どのように”の部分ですね。
どういう販売チャネルで、
どんな販促施策で、
どんなメッセージを発信するのか、
事前に磨いてください。
その上で、事業計画も作ってください。
主として、数値計画です。
なかなか計画の通りには
いかないかもしれませんが、
販売戦略も描けず、
数値計画でも黒字にできない、
というのでは、実際の事業で
利益の柱にすることは、
ほとんど不可能です。
これら販売戦略と事業計画で
“事業としていける”と
判断したら、それから開発に
着手してください。
“事業としていける”という
判断は、最初は難しいので、
企画、開発、製造、販売までの
サイクルを2回以上回すことを
想定して、振り返りのステップを
フローに組み込んでください。
そして、複数回のサイクルを
回していくことにより、
自社なりの判断基準の確度を
上げていってください。
このように、売れる新製品開発を
行うためには、
失敗確率を極限まで下げる
ことが重要で、
そのためには、開発前に、
ニーズの存在をしっかり確認して、
開発前に、事業を作る、
ということが
非常に重要です。
あなたは、失敗確率を極限まで下げていますか?
それでは、また次回。
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●●今週の深海奥義●●
・失敗確率を極限まで下げる!
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