製造業社長が、経営を進めていく上で、
PDCAサイクルを速く回そう、
などと聞いたことはありませんか?
これは、実は間違いです。
PDCAサイクルを速く回すのではなく、
現場のpdsサイクルを高速回転させる
というのが正解です。
PDCAというのは、
こういうものですよね。
・P:Plan(計画)
・D:Do(実行)
・C:Check(検証)
・A:Action(改善)
サイクルということですから、
PからAに行って、
さらに繰り返すということですね。
このようなイメージです。
P→D→C→A→P・・・
しかし、PDCAをサイクルとして
考えると、いろいろいと問題が出てきます。
例えば、計画(P)して、実行(D)して、
検証(C)して、改善(A)するのは
良いのですが、改善(A)した後に、
また計画(P)するというのが
繋がりにくいんですね。
改善(A)したら、また検証(C)して、
また改善(A)し、それを繰り返す
とする方が分かり易い。
つまり、PDCAは、高速回転には
不向きということです。
そう考えると、以下のPDSの方が、
回転にはベターです。
・P:Plan(計画)
・D:Do(実行)
・S:See(検証)
これなら、計画(P)して、実行(D)して、
検証(S)して、さらに計画(P)し直して、
というサイクルが回せます。
ただ、この場合でも、計画Pを
高速回転させるという点に
多少の違和感があります。
例えば、経営計画って、
そんなに日々高速に回転させて
修正していくものではないですよね。
その一方で、現場では、確かに
高速回転させる必要があります。
そう考えると、経営層と
現場層の上下の階層があって、
それぞれの階層ごとに
回転速度が違うと考えると、
しっくりきます。
つまり、PDSサイクルは、
以下の2つで考える必要があります。
(経営層:上位層)
・P:Plan(経営計画)
・D:Do(経営実行)
・S:See(経営分析)
↓
(現場層:下位層)
・p:plan(現場仮説)
・d:do(現場実行)
・s:see(現場分析)
上位層である経営層では、
例えば1年サイクルで
計画・実行・分析を行います。
もちろん、状況に応じて、期間は
調整します。
一方、下位層である現場層のサイクルは、
経営層の経営実行Dの中に
含まれるものです。
上位層である経営実行Dの管理のもとで、
現場で小さなpdsを高速回転させる
ということです。
正直言って、PDCAもPDSも
教科書的な理解や言葉尻などは
どうでもいいことです。
ただし、社長としては、
経営層と現場層との2つの階層があって、
それぞれの回転速度に応じて
会社を進めていく、と考えると、
理解が簡単になってきます。
つまり、経営レベルで、PDSサイクルを
しっかり回していくとともに、
現場レベルで、小さなpdsサイクルを
高速回転させていくということですね。
貴社は、経営上のPDSと、
現場でのpdsを
それぞれ回転させていますか?
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●●今週の深海奥義●●
・経営層のPDSを回し、
現場層のpdsを高速回転させよう!
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ネオフライトクリエイションズ
宮川 壮輔
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