No.46 中小企業の参入障壁の作り方とは?

2019.7.23

あなたは、参入障壁を構築することを
積極的に意識していますか?

せっかく競合他社との差異を創っても
その差異が競合他社にすぐにマネされて
しまうようなら、高収益を長期にわたって
維持することはできません。

そのため、差異を守るための
障壁を築く必要があります。
今回は、障壁を築くための考え方について
お話しします。

障壁構築のために重要な考え方は、
以下の3点です。

(1)多重構造
(2)時間経過
(3)ステルス志向

まずは、(1)多重構造について。
障壁というのは、これだけやれば
絶対マネされない、
というものではありません。

複数種類の小さな断片を
いくつもいくつも積み重ねていく
という意識が非常に必要です。

例えば、特許を1つ取ればマネされない、
ということは、ほとんどありません。
特許が決定的に効いてくるのは、
製薬分野や材料分野のような
限られた分野です。
これら以外の技術分野では、
よっぽど革新的なものでない限り、
1つの特許ですべてを保護することは
難しいです。

例えば、iPhone。
製品のコンセプトとしては革新的だったかも
しれませんが、技術的には単なる携帯端末
ですから、いわば特許激戦区。
これを一つの特許で守れるなら、
サムスンもファーウェイも今のスマホを
販売できるはずはありません。

お掃除ロボットのルンバだって、
電子書籍端末だって、
ダイソンの羽無し扇風機だって、
競合製品はたくさん出てますね。
この中には特許を侵害するような
違法の製品もあるかもしれませんが、
合法の製品だってたくさんあります。

特許1つで完全な障壁を築くことは
ほぼ不可能です。
まずは、この特許幻想を捨てましょう。

1つの特許でムリなら、
特許を複数取ることもありですね。
1つの商品に対して、
特許は1つではありません。
1つの商品に対して、
特許はたくさん取れます。
そして、複数の特許で1つの商品を
保護した方が、障壁としては
高くなります。

さらに、1つの商品に対して、
特許だけでもありません。
意匠権も商標権も取れます。
つまり、1つの商品に対して、
複数の知財権を取ることができます。

このような知財権を複数取れば取るほど、
小さな断片が積層されていって
障壁の高さを少しずつ高くしていく
ことはできます。

しかし、知財権だけでは不十分。
それなら、さきほどのスマホだって
ルンバだって、ダイソンだって、
おそらく複数の知財権を取ってる
はずです。

障壁としては、知財権以外にも
たくさんあります。

例えば、独占契約、エリアの独占、匠の技、
ノウハウ、教育、組織、顧客との繋がりetc

つまり、知財権以外にも、他の要素を
総合的に考えて、一つ一つの断片として
多重的に積み重ねていく必要があるんですね。

あなたは、障壁の断片を多重化していますか?

続きは、また次回。

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●●今週の深海奥義●●

・参入障壁の断片を
多重的に積層せよ!

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ネオフライトクリエイションズ
宮川 壮輔

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