あなたは、参入障壁を構築するための
時間価値を積極的に認識していますか?
参入障壁を構築するために重要な
考え方として、以下の3点がありました。
(1)多重構造
(2)時間経過
(3)ステルス志向
前回は、(1)多重構造について
お話ししましたね。
今回は、(2)時間経過について。
障壁というのは、
“これ一つで完璧”
といった性質のものではない、
ということは前回もお話ししました。
さらに言うなら、障壁というのは、
秀吉の一夜城のように
“アッという間にすぐ出来る”
といった性質のものでもありません。
時間をかけて構築していくものです。
もちろん、障壁の断片としては、
一夜にできるものもあるでしょうけど、
障壁として全体を高く積み上げて
いくには、やはり時間がかかります。
このことから、2つのことが
重要になってきますね。
一つは、時間=価値として、
小さな断片をコツコツと
積み上げていくことです。
最初は、そんなに高い障壁には
ならない小さな断片であっても、
それを1年、3年、5年、10年と
コツコツと時間をかけていけば、
カベになり得るものです。
例えば、わたしが書いている
このメールレター。
週一配信で、現在47回目ですので、
もうすぐで1年になります。
1回1回は非常に小さな断片ですが、
1度も休むことなく1年分積み上がりました。
もちろん、1年ではまだまだです。
これから5年、10年と続けていけば、
顧客との関係性の構築という点では
参入障壁の一つとなり得ます。
ちなみに、わたし、他のメールレターを
10年続けていますが、
そこではそれなりの参入障壁になっています。
その他にも、小さな断片の例は
いろいろあるでしょう。
ニュースレターの発行でも良いでしょうし、
毎朝の会社周辺の掃除や
ホームページの更新、
社員教育による能力向上など。
これらだって、たった1回では
大きな参入障壁にはなりにくいでしょうが、
1年、3年、5年、10年と続けていけば、
参入障壁の一つとなり得ます。
このように、参入障壁を築くには
時間がかかるものであり、
目の前の小さな一つ一つが、
大きな参入障壁へと通じる、
ということを意識したいところですね。
また、重要な点の2つ目として、
時間がかかるものだからこそ、
参入障壁の構築について
積極的にコントロールすべきだ、
ということです。
つまり、参入障壁の構築について
何の脈絡もなく場当たり的にやっていては、
その壁を構築するのに
果てしない時間がかかってしまいます。
だって、狙ってやったって
そもそも5年、10年とかかるものも
ある訳ですからね。
それぐらいのロングスパンで構築するものは、
しっかりと意識してやらないと、
現実的にはいつまで経っても
参入障壁として機能しません。
さらに、時間がかかるということは、
それを止めるとなったときに
後戻りのダメージが大きい、
ということになります。
“場当たり的に1年やってみたけど、
やっぱり止めよう。次は何をしようかな“
ということを表面的に繰り返すだけでは、
効果的に参入障壁を高く積み上げていく
ことはできません。
だからこそ、ロングスパンを覚悟して、
中長期の視点で、参入障壁の構築を
事前に設計・計画していくべきなんです。
もちろん、計画通りにいかずに
修正を余儀なくされることもあるでしょう。
しかし、何も考えず場当たり的にやっている
会社と、
ちゃんと設計して定期的に見直して
軌道修正していく会社とでは、
参入障壁構築のスピードは、
大きく違ってきます。
カベを作るには時間がかかり、
だからこそ事前に設計する、
という意識が重要になるんですね。
あなたは、参入障壁の時間価値を
認識していますか?
続きは、また次回。
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●●今週の深海奥義●●
・参入障壁の構築を
事前に設計せよ!
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ネオフライトクリエイションズ
宮川 壮輔
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