あなたは、参入障壁を構築するための
志向を意識していますか?
参入障壁を構築するために重要な
考え方として、以下の3点がありました。
(1)多重構造
(2)時間経過
(3)ステルス志向
前回は、(2)時間経過について
お話ししましたね。
今回は、(3)ステルス志向について。
参入障壁を作るには、
小さな断片を積み重ねる必要があって、
そのためにコツコツと時間もかかります。
それでも、自社商品やサービスが
売れていると競合他社に認識されると、
競合他社はマネしようとしてきます。
これからのモノあまりの時代では、
なおさらマネされるでしょう。
ですので、競合他社にはなるべく
気付かれない方が時間を稼げます。
競合他社に気付かれにくいというのは、
つまり、認識されにくい、知覚されにくい
ということですね。
知覚されにくいものとしては、まずは
“社内組織”が挙げられます。
社内組織というのは、
次のような要素ですね。
・匠の技
・ノウハウ管理体制
・技能承継・教育システム
・受注処理の対応
・生産管理のやり方
・短納期を可能にする組織対応
・理念の浸透
・社員の責任感
・社員の創造力
etc
これらは、参入障壁としては非常に
重要ですね。
それでいて、一朝一夕には構築できません。
組織というのは、人が核になります。
人が核になる以上、
人の成長が必要であって、
そのためには時間がかかります。
そして、このような社内の組織や
やり方、システムというのは、
競合他社から見えにくいんですね。
なので、競合他社が知覚しにくいし、
仮に知覚したとしても、
簡単には再現できません。
このような社内組織の管理や成長を
伴うものは、参入障壁の小さな断片
としては、とても有効です。
参入障壁の事前の設計事項としては、
計画的に設計しておくべきですね。
それから、知覚されにくいものとしては、
アナログ志向や、
ニッチ志向、排他志向などが
挙げられますね。
アナログ志向というのは、
デジタルでの情報発信を抑えつつ、
あえてアナログで行うものです。
DMとか訪問営業などですね。
ニッチ志向というのは、
広く大量に情報発信するのではなく、
まずは身の回りの顧客やエリアに
限定してサンプル的に行うものですね。
さらに、排他的志向というのは、
入口を厳しくして、
特定の顧客しか自社のコミュニティに
入れないようにすることです。
これらは、いずれ規模を大きくすることを
想定しているものの、まずは、
狭く小さく、それでいて深くするためには
有効ですね。
ステルス志向で、
自社の製品やサービスを磨き上げて、
これで競合他社に数年間はマネできない、
というくらいまで磨きに磨いて、
それから、大きく展開していく訳ですね。
機が熟すまで、水面下で
じっと技を磨く感じです。
そして、機が熟したあとも、
競合他社に知覚されにくい
社内組織などを磨き続けます。
このように、競合他社に知覚されにくい
要素をうまく使って、中長期的に
参入障壁を築いていきましょう。
あなたは、参入障壁のステルス志向を
意識していますか?
続きは、また次回。
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●●今週の深海奥義●●
・参入障壁のステルス志向を
使いこなそう!
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ネオフライトクリエイションズ
宮川 壮輔
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