経営コンサルタント 宮川壮輔
ECサイトでモノを売るツールや
サービスが増えてきたこともあり、
中小製造業がECサイトで
自社製品を販売しようとする
ケースが増えてきましたね。
中小製造業の社長が、
ECサイトで利益を上げるためには、
以下の3点が重要でしたね。
(1)差異
(2)発信
(3)継続
今回は、(3)継続です。
これは、「差異」の「発信」を
継続することです。
文字通り、続けること。
今までの(1)差異や(2)発信に
比べると、技術的には難しくない
ですよね。
(1)差異と(2)発信を繰り返す、
ということですから、作業的には
むしろ簡単と言っていい。
しかし、継続できるケースは、
非常に少ないですよね。
この辺は、多くの人に
心当たりがあるのでは
ないでしょうか。
なぜ、継続できないのでしょうか?
それは、成果がすぐに認識できないからです。
せっかく「差異」を「発信」しても、
すぐに反応が増えるわけでもなく、
売上が増えるわけでもなく、
何も変わりません。
何も変わらない割には、
手間がかかる。
次第に、モチベーションが下がってきます。
“何のためにやってるのか?”
“これって意味あるの?”
といった、いろんな不安や迷いが
生じてきますね。
そして、“やっても意味なし”
と、自分に言い聞かせて、
「差異」の「発信」が、
フェイドアウトしていく。
そして、ECサイトは放置され、
自動販売機化していく。
このような末路をたどるECサイトは
非常に多いですね。
では、どうすれば、
「継続」することができるように
なるのでしょうか。
それは、継続できない理由を
無くしていくことです。
先ほど見たように、
継続できない理由として
最も大きいのは、
「成果がすぐには見えない」
という点です。
なので、継続させるためのポイントは、
大きくは次の2点です。
・変化を短期に見せること
・強制力を働かせること
まずは、成果を短気に見せましょう。
ここで言う成果というのは、
「変化」の意味で捉えてください。
「変化」ですから、
売上とか利益じゃなくてもOK。
例えば、お客さまの声などを
取るようにして、それらお客さまの
感謝の声を社員の共有スペースに
貼り出しましょう。
これだけでも、社員のモチベーションは
変わります。
また、短期的に「変化」を出すために、
初期にあえてWEB広告を出すのも
アリです。
WEB広告を出せば、
費用はかかりますが、
売上は上がります。
広告費用は、中長期的な視点で
設計・管理する必要があります。
その上でなら、初期段階で、
社員のモチベーションを上げるために、
あえて強めにWEB広告に投資するのは
有効です。
売上や利益以外の「変化」を考慮に
入れて、なるべく早めにその「変化」を
社員が認識できるように工夫してください。
また、強制力を働かせることも重要です。
どうしても成果は見えにくいので、
“今回はまあいいか”
という甘えを断ち切るためには、
強制力を作ってください。
まずは、社長の決意として、
ECサイトに力を入れていくこと、
差異の発信を継続していくことを
社員の前で宣言してください。
それから、発信作業の担当者を
決めてください。
そして、発信のスケジュールを
決めて、進捗を定期的に
報告させるようにしてください。
さらには、その担当者に対して、
報奨を設定してください。
報奨というのは、
金銭である必要はありません。
皆の前で表彰するなどの
内的な動機付けでもOK。
アメとムチを使って、
組織的に継続させるように
していってください。
このように、ただでさえ見えにくい成果
に対して、
なるべく短期で変化を見えるようにして、
さらに強制力を働かせる仕組みを
構築してください。
あなたは、「変化」と「強制力」を利用していますか?
続きはまた次回。
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●●今週の深海奥義●●
・「変化」と「強制力」を利用せよ!
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