“今後、値上げ交渉をしていきたいんだけどどうすれば良いんだろう?”
“利益重視の方向に変えていきたいんだけど”
今回は、そんな中小製造業の社長のための
お話しです。
値上げ交渉を効果的に行えるように
するためには、戦略的に思考することが
重要です。
つまり、短期と中期の以下の視点が
必要です。
(短期視点)
・見積りの精度アップ
・原価資料作り
(中期視点)
・強み作り
このように、短期的には
見積り作成や原価資料作りを強化し、
同時進行で中期視点での
強み作りをスタートさせてください。
まずは、見積り作成ですね。
見積りの精度を上げるためには、
原価計算が必要です。
原価計算の精度を上げるためには、
ある程度、財務の知識が必要に
なってきます。
今まで、利益をほとんど
見ようとしない場面や、
損益とキャッシュフローを
混同している場面等を
たくさん見てきました。
値上げ交渉をして利益を
獲得するためには、
財務上の利益を正確に
把握することが不可欠です。
そのためには、財務の知識が
少々必要です。
もちろん、財務の専門家になる
わけではありませんので、
詳しいところまでは必ずしも
必要はありません。
でも、初級レベルの工業簿記と、
決算書の見方については、
これを機に勉強する、
という覚悟を決めてください。
1ヶ月もあれば基本は分かります。
基本を身に付ければ、あとは現場で
磨いていけばOKです。
その上で、原価計算ですね。
材料費や外注加工費は、
見積り項目に入れているでしょう。
さらには、労務費、設備費、
間接費を入れてください。
そして、自社の利益も乗せてください。
このように分解すると、
見積りが非常に大変そうに思うかも
しれませんが、原価テーブルを
作っておけば負荷が減らせます。
賃率や設備費のレートなどを
あらかじめ算出しておきましょう。
そして、原価計算に基づく
精度の高い見積りを作ったら、
それを交渉用の資料に落とし込みましょう。
もちろん、そのまま見せてはいけません。
見せるところと、見せないところを
選別して、価格調整を行ってください。
その資料をもとに、数字を元にして
価格交渉を行うようにしましょう。
慣れないうちは大変かもしれません。
でもあとは場数を踏んでいくことによって
交渉レベルを上げていくしかありません。
このように短期的視点で
価格交渉対策を行うと同時に、
中期的視点での強み作りも
非常に重要です。
今まで強み作りを強化してこなかった
という方は、これからは真剣に
取り組んでいきましょう。
強みと言っても、
何を強みとするかは、
戦略的な決定が必要です。
ここでは詳細には書けませんが、
競合や市場を見ながら
自社の強みを決定してください。
その強みは現在60点でもOKです。
これを強みと決めたら、
自社の強みを継続的に
発信してください。
そして、強みを磨いていって、
将来的に70点→80点→90点と
深化させていけば良いわけです。
このような強みを身に付ければ、
価格交渉は有利になりますし、
強烈な強みを築くことができたら、
価格交渉にもなりません。
言い値で決まります。
そうすれば、高利益体質の
会社になり得ます。
このように、短期的には、
原価計算による見積り精度を上げ、
中期的には、強みを深化させる
という2段戦略で進めていって下さい。
あなたは、短期中期視点で対応してますか?
続きはまた次回。
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●●今週の深海奥義●●
・短期と中期の2段戦略!
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