代表経営コンサルタント 宮川 壮輔
“新製品を開発したんだけど、どうやって売っていけばいいんだろう?”
“ウチは営業のアピールが弱いんだよな”
今回は、そんな中小製造業の社長のための
お話しです。
新製品を開発したので、
これからどんどん販売していきたい、
という中小製造業は多いでしょう。
私もたくさんの中小製造業の社長の
お話しを聞いてきました。
どうやって売っていけば良いのかよく分からない、
という企業の多くは、共通した意識を
持っています。
次のとおりです。
●作り手志向
もちろん、自信と誇りを持って
製造してこられた訳ですから、
それらは持っていてOKだし、
むしろ持っていた方が良いです。
でも、販売するとなると、
見るべき部分が変わってきます。
今までは、企画・開発・製造について、
つまり作り手のプロセスにフォーカスを
当てていたわけですよね。
そして、その特徴部分について、
チラシやホームページなどに
表現するわけです。
そうすると、どうなるか?
作り手の特徴をアピールすることに
なります。
例えば、次のとおりです。
・高精度であることの説明
・製造の難しさの説明
・技術の説明
・スペックの説明
これらが、作り手志向のアプローチです。
作り手志向のアプローチでは、
顧客の脳にダイレクトには刺さりにくくなります。
“これは自分にとって有益か?”
ということを顧客自身が脳内で変換処理する
必要があります。
現在は、モノや会社が余っています。
顧客にとっては選択肢がたくさんあります。
選択肢がたくさんある中では、
顧客に変換処理させるより、
顧客の脳にダイレクトに有益さを
伝えた方が、選ばれ易くなります。
変換処理が不要になりますからね。
そのためには、フォーカスを当てる部分を
作り手のプロセスから、
顧客の有益性に変える必要が
あります。
つまり、こういうことです。
●顧客志向
その新製品は顧客にとって何が良いのか、
について、作り手側が表現するわけです。
コツとしては、顧客を主語にして考える、
ということですね。
先ほどの例で言うと、
「・高精度であることの説明」ではなく、
顧客は、その高精度によって何が良くなるのか、
「・製造の難しさの説明」ではなく、
顧客は、その製造によって何が有益なのか、
を表現するということ。
例えば、高精度であると、
「顧客は、段取り替え時間が短縮され、
こんなに経費が削減されます。」
といった感じです。
顧客志向で考える上で重要なことは、
顧客を具体的に決めることです。
どこの会社の誰かを想定して、
その人に点でアピールするように
考えてください。
そして、顧客に対して、
自信の脳内で変換処理させずに、
ダイレクトに有益性を突き刺してください。
あなたは、顧客志向で表現していますか?
それでは、また次回。
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●●今週の深海奥義●●
・顧客志向で表現しよう!
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