中小製造業の社長が事業承継を社員に伝えるために準備することとは?

2024.8.20

“そろそろ事業承継の準備をしないと”

“これからのことを社長として社員に伝たい”

今回は、そんな中小製造業の社長のための
お話しです。

事業承継について考えている社長は、
多いですよね。
特に、60代の社長ですと、
待ったなしですからね。

後継者が、
血縁関係者として社内にいる場合や、
血縁ではないが社員に候補がいる場合、
全くいない場合など、
事情はいろいろあるでしょう。

しかし、事業承継について
社員に伝える前に、
共通してやっておいた方が良いことがあります。

それは、会社の状況を見える化しておくことです。

では、見える化って何をすれば良いのでしょう?

それは、ドキュメント化することです。
会社の状況をドキュメント化することにより、
第三者でも見て分かるようになります。

ただし、いきなりドキュメント化しましょう、
と言われてもなかなか動けませんよね。

ある程度、フォーマットがあった方が
やりやすいでしょう。

そんなとき、オススメなのが、
経営デザインシートです。

こちらに、知的財産戦略本部による
経営デザインシートの解説があります。
経営をデザインする(知的財産戦略本部)

経営デザインシートのフォーマットは、
これからの会社の方向性や
今までの会社の状況を見える化する
ためには、コンパクトで良いです。

重要なことは、以下の4点を明らかにすることです。

(1)自社の経営方針や長期的なゴール
(2)これから中期的に目指すべき姿
(3)今までの姿
(4)これからに移行するための戦略


まずは、(1)自社の経営方針や長期的なゴールについて

これによって、長期的な自社のゴールを
明確にします。

ウチの会社は長期的に何を目指して
どこに向かうのか、
そしてどこには向かわないのかが
明確になりますね。
この長期的なゴールを目指して、
会社を進めていく、ということを
社員に伝えるようにするわけです。


そして、(2)これから中期的に目指すべき姿について。
これは、3~5年後の中期的な姿ですね。
(1)の長期ゴールに向かうための、
前段階のステップとして、
より具体性を持たせた
中期の会社のイメージです。
これにより、3~5年後の目指す姿を
社員に明確に示します。


さらに、(3)今までの姿について。
これは、現在の会社が有している
強みや弱みの再認識です。
会社の強みや弱みを言語化して
社員間で共有できている会社は、
結構少ないです。
これにより、現在の自社のポテンシャルを
社員に明確に示します。


そして、(4)これからに移行するための戦略について。
これは、(2)の中期的な姿と、
(3)の今までの姿とのギャップを明確にして、
(2)の中期的な姿に到達するための
戦略を明確にするパートです。
これから、(2)の中期的な姿に到達するために、
自社は何をやって何をやらないのかを
社員に明確に示します。

経営デザインシートの重要な点は、
フォーマットを埋めることではありません。
フォーマットを埋める過程で、
社長自身の頭の中を整理し、
自らの言葉で表現することにより、
これからの自社の方向性が
社長自身にとっても明確になる
というところが大きなメリットです。

さらに、シートにまとめられるので、
社員にも見える形で伝えやすくなり、
社員も理解しやすくなるというのも
大きなメリットですね。

これから数年後に事業承継を
考えているという社長は、
ぜひ経営デザインシートを活用して、
会社の状況を見える化してください。
そして、社員に伝えるときは、
そのシート見せながら自分の言葉で
説明してください。


あなたは、会社の状況を見える化していますか?


それでは、また次回。

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●●今週の深海奥義●●

・会社の状況を見える化しよう!

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代表経営コンサルタント 宮川壮輔

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