代表経営コンサルタント 宮川 壮輔
“ウチの社員はみんな受け身だからな”
“もっと自律的に動いてくれればいいのに”
今回は、そんな中小製造業の社長のための
お話しです。
社員が思うように動いてくれない、
と思っている社長は多いですよね。
そういう社長ほど、
社員が自律して動くようになる仕組作りに
目を向けていません。
社員に何も教育しない状態では、
社員はそれぞれの思うように
働くことになりますし、
どのようにキャリアアップしていけば
いいか、社員はよく分かりません。
そうなると、社員は、
“給料さえもらえればいいや”
となって、9時-17時までいて、
時間が来たら帰るとなりがちです。
優秀な社員であれば、
最初から自律的に考えて判断して
動きますが、そのような優秀な社員は、
ほとんどいません。
中小製造業は、優秀な人ではなく、
普通の人が成長する仕組みを作る
ことが会社を成長させる第一歩です。
普通の人が成長する仕組みの一つとして
上げられるのが、1on1ミーティングです。
1on1ミーティングというのは、
いわば上司と部下による面談ですね。
この1on1の仕組みは、
うまく運営すれば、
社員の自律や成長に寄与する
ことができます。
しかし、続かなくて失敗することも
多いでしょう。
1on1を効果的に運営するためには、
以下の4点を認識しておいて下さい。
(1)継続させることが難しい
(2)成果が出るのに時間がかかる
(3)上司役のスキルを磨くこと
(4)部下に必要性を認識させること
まずは、(1)継続させることが難しい点。
おそらく、この点が一番難しいと思います。
上司と部下は普段の現場で
仕事のコミュニケーションをしていますので、
1on1で改まって話すことに
意義を感じなくなる
ケースが多いです。
そのため、毎回の1on1で、
今回の面談の意義について
改めて確認するというフェーズを
組み込むようにしてください。
継続させる工夫がキモになる
と言っても過言ではありません。
次に、(2)成果が出るのに時間がかかる点。
1on1というのは、面談により社員の
マインドを育成するものであって、
やはり時間がかかります。
記憶=回数×深さですので、
どうしても回数が必要になってきます。
ですので、1on1は、即効性ではなく
遅効性の施策であることは、
あらかじめ認識しておいてください。
さらに、(3)上司役のスキルを磨くことについて。
上司役のヒアリング能力が高くないと、
1on1は効果的に機能しません。
部下を成長させるという目的のもとに、
自分ではなく部下に考えさせる
ということを重要視してください。
1on1は、部下が考えるための
時間・空間作りということです。
最後に、(4)部下に必要性を認識させることについて。
1on1を効果的に機能させるには、
上司役のスキルだけでなく、
部下の協力が欠かせません。
そのためには、1on1の目的や意義について
部下に十分説明する機会を作ってください。
その上で、部下の協力の下で
1on1を進めることが重要です。
1on1を効果的に継続すれば、
少しずつ社員の意識が変わってきます。
社員が自ら考えて動くようになってきます。
そのためにも、継続がキモであると認識して
続けていってください。
あなたは、継続させる工夫をしていますか?
それでは、また次回。
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●●今週の深海奥義●●
・継続させる工夫!
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